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御室派青年教師会行事報告

全真言宗青年連盟 災害救援研修会 臨床宗教師養成講座体験プログラム

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臨床宗教師法要1

平成28年3月9日、全真言宗青年連盟主催の災害救援研修会「臨床宗教師養成講座体験プログラム」が、高野山東京別院(東京都品川区)にて行われ、全青連加盟各派から約90名が受講する中、御室派青年教師会からは9名が参加してきました。
 「臨床宗教師」とは、病院、社会福祉施設、被災地等の公共空間において、宗教勧誘や布教を目的とせず、相手の価値観や信仰を尊重し、心のケアを行う宗教者のことです。医療・福祉・教育施設や軍隊、警察、消防、刑務所、企業などで、宗教的な支えを必要とする患者や家族への精神的サポートをおこなう宗教者である、欧米のチャプレン(Chaplain)がモデルになっています。
 東日本大震災後の被災者支援を契機に、平成24年度より東北大学実践宗教学寄附講座で「臨床宗教師」研修が始まったのを皮切りに、龍谷大学、高野山大学、種智院大学、上智大学などでその養成が始まっており、今回はその体験プログラムが実施されたのです。
 まず、臨床宗教師として活動中の、曹洞宗普門寺(宮城県栗原市)高橋悦堂師が、東日本大震災での宗教者の活動についてスライドを上映しながら説明されました。
 僧侶、牧師、神主など宗教の枠を超えて集まる「カフェ デ モンク」というお茶会活動の中で、数種類のケーキから好きなものを選んで取ってもらうようにしている、多くの物を失って支援物資を割り当てられて暮らす中で、自らの意思で選ぶという行為に喜びを感じてもらっている、というお話しは印象的でした。
 続いて、浄土真宗の僧侶で、東北大学の臨床宗教師研修の指導者でもある谷山洋三師による講義「臨床宗教師の理念と倫理」「スピリチュアルケアと宗教的ケア」と、話し役・聴き役・観察役の三人一組に分かれてのワークショップを体験しました。
 通常、私たち宗教者としての立場では、檀信徒の相談に応じたり、布教伝道を行ったりと、相手を教え導くことが主な役割ですが、臨床宗教師は、檀信徒以外が対象で、布教伝道は目的とせず、他宗教との協力が欠かせない、相手に寄り添うことが重要だ、とのことでした。また、宗教者に刑法上の守秘義務があること(刑法第134条)、刑事裁判での証言拒否権を有すること(刑事訴訟法第149条)の認識は、活動の前提条件であること、ケア対象者の信仰を尊重し、自らの宗旨の布教や安易なアドバイスを慎むこと、宗教的な祈りの提供は相手方の同意を要すること、他宗教他宗派の臨床宗教師と協力してケアに臨むこと、などが求められるとのお話しでした。
 私たちが日常、檀信徒に対して接する真言宗の僧侶としての行動と、臨床宗教師に要求される行動は、全く異質のものであるということが理解できました。
 講義終了後、本堂へ移動し、岩田慈光全青連理事長導師のもと、震災物故者追悼法会を厳修して犠牲者の冥福を祈り、研修会の全日程を終えました。


広島 薬師寺 鈴木 宏章